【体験談】物件が買えない3年間~宅建業保証協会に代位弁済請求

調停の場面 不動産投資

はじめに

こんにちは。
都会でゆるく生きるじゅんです。

プロフィール記事はこちら。

私にも物件を買えない時期がありました。
3号物件を取得したのが2016年、4号物件を取得したのが2019年でしたので、その間の3年間は物件を買えませんでした。

その間、投資スタンスを迷っていていろんな投資手法を業者さんに相談していて、最終的には手付金が返ってこなくなり、宅建業保証協会に代位弁済を請求する羽目になってしまいました。😢
今回はその時の体験談をお話しします。

投資スタンスの迷い

1号物件~3号物件まで規模を拡大し、キャッシュフローもそれなりに出るようになってきた頃です。ふと振り返ってみるとこんな不安がよぎります

私

・このまま1Kのアパートばかりやっていて大丈夫だろうか?
・全部新築なので、築年数が固まってしまう

セミナーなどでもよく

  • 人口減少社会で、普通の部屋では戦えない!
  • 差別化しないとダメ!

みたいなことが良く言われています。

賃貸住宅フェアやセミナーなどで見聞きして、下記のようなものを検討していました。

  • レンタルスペース事業
  • 民泊
  • 介護付き高齢者住宅(介護事業もやる)
  • 障がい者むけグループホーム
  • 新築医療モール(クリニックや調査委薬局の集合体)賃貸
  • 新築ガレージハウス(高級車趣味の部屋)賃貸

これらの中で、実際に行動(買付等)をしたのは、新築ガレージハウスのみで、その他は何回か打合せをしただけで終わっていきました。

車好きのためのガレージハウスプロジェクト始動!

今回、想定するガレージハウスとは下記のようなものです。

  • 1階がガレージ、2階が住居の長屋形式
  • 立地は高速のインターから近いところ
  • 顧客層は港区など在住の高所得層で車が趣味の人
  • 居住用ではなく、セカンドハウスや車保管用として賃貸
  • 週末に自宅から普段使いの車で現地入り
  • 現地で、保管している高級車に乗り換える
  • ガレージに収納棚や水道も設け車いじりが趣味の人にも対応
  • ガレージにエアコンもあり
  • 賃貸募集は通常の不動産屋ではなくカーショップ等と提携

と、こんな感じです。

ガレージハウス外観 ガレージハウス内観

  • 同じような物件がないので競争になりにくい
  • 同じような物件がないので長期入居が見込める
  • 富裕層がターゲットなので客層が良い
  • 立地が郊外なので土地の取得コストが低い

といったメリットが見込めました。

見学させてもらった物件の中には、2階の床の一部が強化ガラスになっていて、居室から車を眺められる仕様の物もありました(笑)

2階の居室からガレージを見下ろせる

2階の居室からガレージを見下ろせる

土地の見学、買付

そうこうしているうちに、ある業者さんから物件情報が来ました。
神奈川県で東名高速のインターから近い場所です。
建物の図面もできていて建築確認も通っています。
1号物件で融資を受けた某地銀に相談したところ融資も好感触です。

現地も確認し、幹線道路からは若干外れるもののそこまで車が通りにくい道路ではありませんでした。境界も問題なさそうです。

土地の買付もいれて、ローン特約付きで売買契約も締結しました。あとは、融資の結果を待ちましょう😄

施工予定業者の倒産、全ては白紙に

後日、担当者から連絡があり、すぐ会いたいので今週末時間を取れないか?とのこと。
職場近くの喫茶店で待ち合わせることに。
(そのころの私は本業が忙しく社畜状態でしたので、土日も仕事がある可能性がありました)

担当者から

担当者

「実は、当社は倒産してしまい、私もクビになりました。」

何も言葉の返しようがありません。😅
当時、カボチャの馬車事件が発覚したころで、各行のシェアハウスに対する融資が急に閉まっていた頃でした。その業者はガレージハウスのほかにシェアハウス(かぼちゃの馬車ではありません)もメインでやっていて、在庫を抱えたまま販売ができず資金繰りに窮していたようです。
契約時に手付金200万円をすでに払っていました。

担当者

「手付金についてはもう払えないので、宅建業保証協会に行って代位弁済を請求してください」

※宅建業保証協会とは
宅地建物取引業保証協会。ほとんどの宅建業(不動産会社)が加入していて、不動産取引で預けたお金が返ってこなくなった時などに代位弁済(代わりに返済してくれること)してくれる。https://www.athome.co.jp/contents/words/term_2084/

代位弁済の請求

仕方がないので、代位弁済の請求手続きを行うことに。
保証協会に電話してアポを取り、経緯などが分かる資料をそろえて半休をとって訪問しました。

請求に必要な書類をもらって帰ったのですが、結構な分量の書類を作らないといけないようです。取引の経緯等を時系列に事細かに記入するのですが、もらったのは手書きの用紙だったのですが、それはあまりにも面倒です。ひな形をスキャンしてPCで記入して印刷しました。

書類を郵送して、調停の日程が決まりました。
また半休をとって行ってみると、調停委員が5人ぐらい、その他の職員が5~10人ぐらいいた気がします。そんな部屋に通されました。
裁判所みたいな席の配置になっていて、調停委員と職員は全員こちらの方を向いていて、5mぐらい離れたところに私と相手方の席があります。
相手方は、どうせ払わなきゃいけないことは認識しているため出席しておらず、欠席裁判のような形です。

室内の配置

調停委員から次々と質問が飛んできます。
事前に提出した取引の経緯の中で怪しいところがないか確認しているようです。

調停委員

「契約の場所が喫茶店というのはおかしいと思わなかったんですか?」

私

「私の都合で相手先を訪問できずそのようにお願いした。相手先の事務所はそれ以前に何度か訪問しているので、それをもって怪しい業者との認識はない。」

調停委員

「重要事項説明の宅建士が別の会社の名刺を持っていたというのはおかしいと思わなかったんですか?」

私

「重要事項説明の業務を、契約している外部の宅建士が行う事はおかしくないのでは?」

調停委員

「契約の前日に手付金を振込むというのはおかしいと思わなかったんですか?」

私

「現金を何百万も持ち歩くわけにもいかないので、振込で支払うのはおかしい話ではないし、以前別の不動産取引でもそのようにしたことがある。」

調停が終わって部屋を出ると、職員の人から今後の予定について話があり、

調停委員

「通常は半年から1年で結果が出ますが、他の案件の込み具合で前後します。」

私

「そんなにかかるんですか? それで、承認されそうなんですか?」

調停委員

「本当は言っちゃいけないんですが、今回の場合は相手方も返さなきゃいけないことは認めているので、まず否認されることはないと思います。」

そのあとは、ひたすら待つしかありません。
その後、郵送で連絡がきて、無事に全額私の口座に入金されていました。
申立書を提出したのが2018年の10月、調停が2019年3月、入金が2020年1月でしたので、トータルで1年2か月かかったことになります。

まとめ

いろいろな投資手法を勉強するのは良いですが、やはり投資スタンスはブレちゃダメですね。この後、得意パターンである今までの投資手法に戻ってうまくいくことになりました。
また、請負業者の倒産は土地から新築ならではのリスクですね。与信状況などは事前に良く確認しておくべきでした。

ずいぶん回り道した気もしますが、いろいろ経験できて勉強にはなったと思っています。

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