はじめに
こんにちは。
都会でゆるく生きるじゅんです。
プロフィール記事はこちら。

ブログランキング始めました。応援のほど、よろしくお願いいたします。


売却した場合と持ち続けた場合でどのように収支が変わるのか考えてみた3回目の内容です。
私は今まで物件の売却をしたことがありませんでした。長期保有となってきたので、銀行さんからも「そろそろ売却を考えても良いのでは?」と言われたりします。
ただ、売却の経験がないので「いくら以上なら売却した方が良いか?」という基準が自分の中にありません。
そこで、売却した場合と持ち続けた場合でどのように収支が変わるのか考えてみたいと思います。
前回までのおさらい
「その1」の中で、
今後10年間保有した場合の内部収益率(IRR)は、
1号物件:3.8%
2号物件:10.2%
という事が分かりました。
ただ、これだけでは高いのか低いのか分からず判断がつきませんでした。
「その1」はこちら
https://yurukuikiru-jun.tokyo/017a/
内部収益率(IRR)の解説はこちら
https://yurukuikiru-jun.tokyo/018a/
「その2」の中で、
2号物件は継続保有、1号物件は売却しても良いのでは?となりました。
ただし、今後の売却価格は市況により不確定要素が大きいため結論付けはできませんでした。
「その2」はこちら
https://yurukuikiru-jun.tokyo/019a/
今回はこの点を詳しく考えていきましょう!
未来のことは分からない
シミュレーションをするときに最も悩ましいのは「未来のことは分からない」という事です。
現時点での賃料や売買価格だったら相場がありますので、なんとなく分かります。
それが、5年後、10年後となると世の中の経済状況がどのようになっているかは専門家でも意見が分かれるところでしょう。
今回の分析の中では、10年後の売却価格が最も大きくブレる可能性があります。市況によっては売却時の利回りが1%~2%平気で上下したりしますよね。また、今後10年間の家賃収入も売却価格ほどではありませんが、不確定要素となります。
想定では、
築年数の増加とともに年あたり賃料は0.5%低下、売却利回りは0.1%上昇。
(10年後には賃料は5%低下、売却利回りは1%上昇)
と設定していました。
感度分析
このような時に重要な考え方で「感度分析」があります。
不確定な要素がどれだけ意思決定に影響を与えるかを分析するものです。
感度分析の最も簡単なやりかたは「不確定な数字を動かしてみる」事です。
実際にやってみましょう。
今回の設定ではこんな感じでした。
売却利回り変化 | 賃料変化/年 | IRR | 結論 | |
モデルケース | +1% | -0.5% | 3.8% | ー |
1号物件継続保有 | +1% | -0.5% | 3.8% | 微妙 |
2号物件継続保有 | +1% | -0.5% | 10.2% | 継続保有 |
まず、2号物件について売却利回りと賃料下落の想定を動かしてみます。

表の青いところが元々の想定数値です。
今後、賃料が年1.5%下落し、売却利回りは3%上昇するという、かなり売却有利に振り切った想定でもIRRは5.5%となり、保有していたほうがよいのでは?という事が分かります。
次に1号物件です。

元々の想定では売却/保有が微妙は所でしたが、売却有利に振り切った想定をしても、最悪、マイナスにはならないという事が分かりました。
無理して売却する必要はないけど、想定以上に高値で買いたい人が現れたら売却しても良いぐらいのスタンスで良さそうだという事が分かりました。
まとめ
今回は私の所有物件の売却判断を題材にして、投資分析で重要な「感度分析」という考え方について解説しました。
これは、不動産投資のみならず、会社員などの仕事でも使えると思います。
クライアント先や上司を説得するときに「この数字ってこんなにいかないんじゃないの?」といわれたらどうしたら良いでしょうか?
予測精度を高めて根拠資料を集めてロジカルに説得するのも一つのやり方ですが、「この数字がここまでブレても結論は変わりませんよ!」と言えるようにしておくのも一つのやり方ではないかと思います。
追記
今回のシミュレーションでは10年間保有した場合と売却した場合で、どちらが有利になるか考えてみました。
ところが、1号物件については10年後に融資を完済して「返済ゼロのCF」になります。10年以上保有しているとこのメリットが得られるため、結論が変わる可能性があります。次回はこの点について検証してみようと思います
コメント